Brave Kingdom-真実の扉-
原作:Asami
ミスタメアと呼ばれる大陸は、東側にリカウス海により守られた風光明媚な「イグナス国」、中央にはルベン山に守られた「トルキア国」の二大国家があり、西側には未だ小国が連なっており、西側の統一をかけて戦いが続いている。
その小国の中でもひときわ大きな国が、南側にある氷に覆われた「バトラー帝国」と、北側にある「グリフト帝国」である。
その昔バトラー帝国は、武の天才「英雄 ナスカ」により統治されていた。
それから数百年・・・
エルシド将軍期
バトラー帝国の将軍であった父の元、副将軍として軍を見ていた「エルシド」は、バトラー帝国とトルキア国との戦いの中で、瀕死の状態の若き剣士「グレン」を助けた。 エルシドに命を助けられたグレンはエルシドに忠誠を誓い、エルシドの右腕となった。
エルシドの年の離れた妹「アサミ」は、物心がついた頃から、剣士に憧れ、エルシドに剣を教わり、剣の道を志した。
それから3年の月日が流れ、バトラー帝国は先代の将軍であったエルシドの父が亡き後、エルシドが将軍として指揮し、大陸西側統一をかけ、グリフト帝国へ最後の戦いを仕掛けた。 この戦いは、アサミの初陣でもあり、グレンも小隊長として参加した。
しかし、戦いは困難を極め、アサミの所属する小隊は、グリフト帝国将軍「ザック」の手に落ち、アサミはその身柄を拘束されることとなった。
ザックは仮面の力を利用し、アサミを操り、エルシドと戦わせた。
戦いの中でエルシドは、仮面をつけた剣士が我が妹アサミであることに気がつき、目を覚まさせようとする。
アサミは、兄エルシドと何度も剣を交える中、遂に仮面の力に自ら打ち勝ち、自分を取り戻した。
しかし、そんなアサミに用済みと、容赦無く斬りかかるザックの剣を、エルシドはアサミを守るために自ら受け、致命傷を負う。
危機一髪で加勢に来た「シュン」にアサミを託し、アサミを戦場より離れさせ、ザックとの一騎打ちに出るエルシド。
しかし、戦場を離れるアサミが見たものは、ザックに刺されるエルシドの姿だった。
その後、グレンが加勢に来たが、そこには既にエルシドの姿はなく、エルシドの銀の剣が1本残されたままだった。
グレンはエルシドの形見として、その銀の剣を引き継いだ。
その後エルシドは消息不明となった。
グレン将軍期
エルシドとの戦いの中で、国や愛するものを守るという事がどういうことなのかを諭されたザックは、エルシドに急所を外してもらったことにより致命傷を免れ、バトラー帝国に捉えられることとなった。
ザックはエルシドへの恩を胸に、改心し、バトラー帝国に仕える剣士になることを志願する。
兄を失った絶望から、戦っていく自信を失ったアサミは、剣の道から逃げ、バトラー帝国軍から離れ、普通の女性として暮らすことを選んだ。 旅の中で、亡霊の島ゴーストアイランドにたどり着き、そこで繰り広げられていた、最強の勇者を決める戦いの参加者に兄エルシドの名前を見つけ、アサミはエントリーをする。
戦いの決勝で兄エルシドと再会を果たしたが、剣の道から逃げたアサミの剣は迷いに満ちていた。
しかし、戦いの中でエルシドに叱咤激励され、剣に込めるべきものを思い出し、迷いを振り払い、自分の弱さに打ち勝ち、剣で未来を切り開こうと誓い、再び剣士の道を歩むことを決意した。
その姿を見たエルシドは、金の剣をアサミに託し、アサミの前を去って行った。
アサミはエルシドへの感謝の思いを胸に、ゴーストアイランドを後にした。
一方、エルシドが亡き後、グレンが将軍としてバトラー帝国を指揮していたが、国王の命令により、イグナス国とトルキア国を騙し、両国を戦わせるという卑劣な戦いが行われた。
国王の命令に疑問を感じながらも、バトラー帝国への忠誠心から任務を遂行するグレンの前に、剣士として立ち直ったアサミが立ちはだかる。
エルシドの銀の剣を持ったグレンと、エルシドの金の剣を持ったアサミは剣を交える中、アサミは、相手が兄が可愛がっていたグレンであることに気がつき、グレンに本当の正義が何かを訴えかける。
グレンはアサミに諭され、正しい道を進みたいと決意し、独断で戦いを終わらせ、バトラー帝国へ帰還した。
それから数年。
ザックはもしかするとエルシドは生きているのではないかという疑問を抱くようになり、アサミを誘い、ゴーストアイランドに行こうと持ちかける。
一方ゴーストアイランドでは、エルシドとシュンが陰で、ある作戦を画策をし、動き出そうとしていた。
ゴーストアイランドにたどり着いたアサミとザックの前に現れたエルシドに、連れ戻しに来たと伝えるアサミ。
しかし、ゴーストアイランドから離れようとしないエルシド。
アサミは力づくで連れて帰ろうと、戦いを挑む。
その戦いの最中、割って入るザック。
グレンから託された銀の剣をエルシドに見せ、説得を試みる。
その剣を見て、グレンの身に何かがあったと悟るアサミ。
エルシドを説得するが、エルシドは今のバトラー帝国が間違った道を進んでいると話し出す。
それに共感するアサミ達にエルシドは、祖国バトラー帝国を滅ぼすと宣言し、アサミとザックに一緒に来るか問うが、それは本当の平和には繋がらないと2人はそれを拒絶し、交渉は決裂する。
それから数年。
バトラー帝国には新たな時代が訪れた。
ザックはハロウィンパーティーを企画し、アサミ、グレン、シュンを誘う。
ザックは3人に、ゴーストアイランドには神の龍がいて、死者を生き返らせることができるという噂を耳にしたことを伝え、エルシドを生き返らせることができるのでは?と思い、4人はその真実を確かめるために、ゴーストアイランドに向かった。
その話を影で聞いていた男ゴードンは、4人にこっそり着いていくことにした。
ゴーストアイランドでゴードンはエルシドと対面をし、かつて自分が助けた、瀕死の男がエルシドであったことを知る。
そして、ゴードンがエルシドの看病をして数日でエルシドの姿が消えたのは、ゴーストアイランドに行ったからではないかと想像する。
しかし、結局死者を蘇らせることができる神の龍の噂の真相はわからないまま、一行はゴーストアイランドを後にすることになり、戻ってきたが、そこにゴードンの姿はなかった。